通変星

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命式が出せて、各部の名称を覚えたら、読み解きの準備を始めましょう。四柱推命と言えば通変星(つうへんせい)を出して判断します。中国式四柱推命でも、もちろん通変星を出します。

通変星とは?

通変星には、比肩(ひけん)、劫財(ごうざい)、食神(しょくしん)、傷官(しょうかん)、偏財(へんざい)、正財(せいざい)、偏官(へんかん)、正官(せいかん)、偏印(へんいん)、印授(いんじゅ)の10個あります。流派によって、偏官(へんかん)を殺(さつ)と言ったり、印授を正印(せいいん)と言うこともありますが、言い方が違うだけで、意味は同じです。それぞれの通変星が持つ意味については、別記事で照会します。

通変星の出し方

通変星は、命式の天干(てんかん)に出ている十干(じっかん)の相互関係を見て、それぞれの十干を該当する通変星に置き換えて出します。

ちょっと復習その1

十干(じっかん)には、甲(きのえ)、乙(きのと)、丙(ひのえ)、丁(ひのと)、戊(つちのえ)、己(つちのと)、庚(かのえ)、辛(かのと)、壬(みずのえ)、癸(みずのと)の10個あります。
◆参考 命式とは?
◆参考 天干と地支

十干の元は陰陽五行

十干のそれぞれの名称でなんとなく気付くかもしれませんが、十干は五行のもく・火・土・金・水の性質を表します。さらに陰(いん)と陽(よう)の性質に分かれます。それぞれの十干の五行の性質と陰陽を下記にまとめています。

甲(きのえ)・乙(きのと)は五行の木の性質を表します。甲は陽(よう)の木、乙は陰(いん)の木の性質を持っています。
丙(ひのえ)・丁(ひのと)は五行の火の性質を表します。丙は陽(よう)の火、丁は陰(いん)の火の性質を持っています。
戊(つちのえ)・己(つちのと)は五行の土の性質を表します。戊は陽(よう)の土、己は陰(いん)の土の性質を持っています。
庚(かのえ)・辛(かのと)は五行の金の性質を表します。庚は陽(よう)の金、辛は陰(いん)の金の性質を持っています。
壬(みずのえ)・癸(みずのと)は五行の水の性質を表します。壬は陽(よう)の水、癸は陰(いん)の水の性質を持っています。

十干がどの五行に該当し、陰陽どちらになるかが分からないと、五行の相互関係が分からないので、ここはしっかり覚える必要があります。

ちょっと復習その2

五行の相互関係には、木が火を強め、火が土を強め、土が金を強め、金が水を強め、水が木を強め、木が火を強め… このように相手の五行を生み出し強める相生の関係と、
木が土を弱め、土が水を弱め、水が火を弱め、火が金を弱め、金が木を弱め、木が土を弱め、土が水を弱め… このように相手の五行をを弱める相剋の関係があります。
◆参考 五行の相生と相剋
そして、お互いに同じ性質同士の関係もあります。木同士、火同士、土同士、金同士、水同士は、強めも弱めもしない関係です。

通変星を出すときは、命式の日干(にっかん)を基準にして、他の天干にある十干との相互関係を見ます。それぞれの十干が持つ五行の性質が、相生か相剋か同じ性質かを判断して、十干を通変星に置き換えていきます。日干は、生まれた日の干支(かんし)の干(かん)の部分です。日干は自分自身を表す場所なので、必ず日干(にっかん)を基準にして通変星を出します。

例えば日干が甲(きのえ)の場合

甲(きのえ)に対して甲(きのえ)は、同じ木の性質で、同じ陽(よう)の性質なので比肩(ひけん)という通変星になります。相手と全く同じ性質なので、肩を並べて比べ合う、同じものという関係です。
甲(きのえ)に対して乙(きのと)は、同じ木の性質で、甲は陽(よう)の性質、乙は陰(いん)の性質です。劫財(ごうざい)という通変星になります。陰陽の違いはありますが、比肩とだいたい同じ意味合いの通変星です。
甲(きのえ)に対して丙(ひのえ)は、木が火を生み出し強める関係で、同じ陽(よう)の性質です。食神(しょくしん)という通変星になります。
甲(きのえ)に対して丁(ひのと)は、木が火を生み出し強める関係です。甲は陽(よう)の性質、丁は陰(いん)の性質です。傷官(しょうかん)という通変星になります。食神(しょくしん)と傷官(しょうかん)は、だいたい同じような意味合いの通変星です。
甲(きのえ)に対して戊(つちのえ)は、甲が戊を弱める関係です。同じ陽(よう)の性質です。偏財(へんざい)という通変星になります。
甲(きのえ)に対して己(つちのと)は、木が土を弱める関係です。甲は陽(よう)の性質、己は陰(いん)の性質です。正財という通変星になります。偏財(へんざい)と正財(せいざい)は、だいたい同じような意味合いの通変星です。
甲(きのえ)に対して庚(かのえ)は、木が金に弱められる関係です。どちらも陽(よう)の性質です。偏官(へんかん)という通変星になります。
甲(きのえ)に対して辛(かのと)は、木が金に弱められる関係です。甲は陽(よう)、辛は陰(いん)の性質です。正官(せいかん)という通変星になります。偏官(へんかん)と正官(せいかん)は、だいたい同じような意味合いの通変星です。
甲(きのえ)に対して壬(みずのえ)は、木が水に強められる関係です。どちらも陽(よう)の性質です。偏印(へんいん)という通変星になります。
甲(きのえ)に対して癸(みずのと)は、木を水が強める関係です。甲は陽(よう)、癸は陰(いん)の性質です。印授(いんじゅ)という通変星になります。偏印(へんいん)と印授(いんじゅ)は、だいたい同じような意味合いの通変星です。

日干が甲(きのえ)の場合で通変星を出してみましたが、日干に当たる十干が変わっても、通変星の出し方は同じです。日干と対する十干が同じ性質で陰陽が同じなら通変星は比肩、同じ性質で陰陽が違えば劫財。日干に対して生み出し強める関係で、陰陽が同じなら食神、陰陽が違えば傷官。日干が対する十干を弱める関係で、陰陽が同じなら偏財、陰陽が違えば正財。日干を対する十干が弱める関係で、陰陽が同じなら偏官、陰陽が違えば正官。日干を対する十干が生み出し強める関係で、陰陽が同じなら偏印、陰陽が違えば印授となります。
日干は自分自身、基準となる十干ですから、何の通変星にもなりません。そして、命式中の他の十干を基準にして通変星を出すことは、中国式四柱推命では絶対にありません。

蔵干

命式の地支(ちし)にある十二支、子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、卯(う)、辰(たつ)、巳(み)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(い)、それぞれの支(し)の中にも十干が含まれています。蔵干(ぞうかん)と言います。
ここで言う中国式四柱推命では、蔵干の通変星は出しません。通変星を出すのは天干の十干だけです。中国でも日本でも、四柱推命の流派はたくさんありまして、蔵干(ぞうかん)の通変星を出す流派もあります。これは流派による四柱推命に対する考え方、理論の違いによるもので、判断の精度には直接関係ないことです。

通変星を出してみよう

通変星は、命式の日干(にっかん)を基準にして出します。日干(にっかん)とは、生まれた日の十干の部分で、自分自身を表す場所です。では、上で述べた通変星の出し方で、下記の命式の天干の通変星を出してみましょう。

年  丙 午
月  癸 巳
日  壬 寅
時  辛 丑

日干は壬(みずのえ)です。壬に対して他の天干にある十干がどんな関係なのかを見ていきます。
年干は丙(ひのえ)です。日干の壬は水の陽、年干の丙は火の陽です。水は火を弱める関係なので、年干の丙は偏財(へんざい)です。
月干は癸(みずのと)です。日干の壬は水の陽、月干の癸は水の陰です。同じ性質で陰陽が違うので、月干の癸は劫財です。
時干は辛(かのと)です。日干の壬は水の陽、時干の辛は金の陰です。水を金が強める関係ですから、時干の辛は印授です。
先ほど説明した通り、日干の壬は自分自身です。基準となる十干ですから通変星にはなりませんので、この命式にある通変星は、偏財が1つ、劫財が1つ、印授が1つあるということです。

地支の役割

中国式四柱推命では、地支にある各十二支に含まれた十干の通変星は出さないと言いました。じゃあ地支にある十二支は何をするのかというと、各十二支に含まれている五行と同じ五行の天干を強めています。つまり、通変星の強さは地支にある各十二紙によって決まります。先ほどの例題を見てみましょう。

年  丙 午
月  癸 巳
日  壬 寅
時  辛 丑

年支は午です。午には火が含まれています。
月支は巳です。巳には火と金が含まれています。
日支は寅です。寅には木と火が含まれています。
時支は丑です。丑には土と金と水が含まれています。
それぞれの支に含まれている五行を合計すると、木が1つ、火が3つ、土が1つ、金が2つ、水が1つです。

天干を見てみると、年間には五行の火である丙、月干には五行の水である癸、日干は五行の水である壬、時干には五行の金である辛がありますので、年間の丙は火が3つの強さ、月干の癸は水が1つの強さ、時干の辛は金が2つの強さになります。
つまり、例題の命式は、丙の偏財が3、癸の劫財が1、辛の印授が2の強さということです。

実際に命式を判断するときは、通変星の状態、強さなど、もっと細かくしっかりとみますので、見た目の通変星の強さだけで命式判断はできません。その詳しい方法をここでは説明しませんが、中国式四柱推命では、このような作業をきちんと行い、命式を判断しています。